広島原爆記念日(8月6日)の報道

終戦直前の1945年(昭和20年)、広島県広島市に原子爆弾が投下された“8月6日”は、60年近くが経った今でもこの日を原爆記念日として、毎年広島で平和式典が開かれています。
最近は、この平和記念式典の民放局での扱いが年々小さくなってきているのをご存知でしょうか。
かつては各局とも並んで平和記念式典を中継していましたが、最近では原爆報道そのものを完全に無視する局まで出てくる有様です。
現代において、テレビの地上波放送は特に身近かつ手軽なメディアの一つですが、そのテレビがこの日の早朝という時間をおざなりにしているのは、私としてはどうしても納得がいかないところです。
特に私が住んでいる大分県では、小・中学校で8月6日が“登校日”となっており、毎年8時15分の黙とうと1〜2時限の平和授業を行っており、この時期になると平和について考える習慣ができています。
そんな事情もあり、テレビの無関心な姿勢が奇異に感じられるのかも知れません。
ここでは、近年(2003年以降)、8月6日という日に地上波の民放テレビ局が原爆問題をどのように扱ったかを見ていきます。

※当コンテンツに私の政治的な意図は一切含んでおらず、また深く関係しそうな記述を意図的に避けるよう配慮しています。あらかじめご了承ください。

早朝の報道番組について

平日の早朝は、NHK・民放とも生放映の情報番組で凌ぎを削る時間帯です。(唯一、テレビ東京系だけは子供向け番組が中心で、8時台にはさっさと全国枠を抜けてローカル編成になっているので、当コンテンツでは取り扱いの対象外とします)
つまり、これらの番組枠内で8月6日に原爆特集を組むのは、さほど難しいことではありません。
もちろん、毎日それぞれに報道すべきニュースがありますので、歳月が流れて新しい情報のない原爆をトップニュースとして扱わないのは理解できます。
ただ、どの局も複数の番組を跨いで4時間ほどの生番組を放映しているのですから、せめて何らかの形で平和記念式典の行事に触れるくらいはしておくべきではないでしょうか?
地上波テレビ局は、どこも(実態はともかく)番組の理念・目的に報道の自由や平和への貢献を謳っています。
その報道の自由のために払われた多大な犠牲として、広島・長崎は真っ先に挙げられるべき事実なわけですから……。

しかし、実際には先述の通り、局や番組によっては全く無視しているところもあるのが現状です。
一方で、この件を毎年取り扱う局や番組も存在し、その違いを私はスタッフの認識の差だと見ています。
また地元の広島県・長崎県では、民放各局が全国番組を飛ばして特番を組むなど、各々の立場による考え方の違いというのも見て取れます。

8時15分の瞬間に各局は何を放映していたか?

それでは、原爆投下時刻とされている8時15分を迎えた時に、各局はどのような内容を放映していたのでしょうか。
各局ごとに、2003年以降の取り扱いを纏めました。(08:15以外の原爆関連特集も私が確認できた範囲で掲載しています)

なお、2003年〜2004年、2007年は平日、2005年は土曜日、2006年は日曜日です。

当日の主なニュース項目

各年8月6日の早朝時点における、主なニューストピックスは以下の通りです。

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年